陰翳の花
2025/6/12
暗い部屋の中で色をひそめる花。これは大人の美しさだ。
「氷の木琴」を弾いていたら、それがあまりに子供っぽい曲なので、無性に大人の曲を弾きたくなった。その場で一気に弾いたのがこの曲だ。だからこの曲のテーマは本当は「陰影の花」ではなく「大人だけが知る美しさ」である。
部屋の中、暗闇、静物。私が子供のころ好きだったものとすべて逆だ。しかしいつしかそれを美しいと思うようになった。私の中に別の私が生まれて同居するようになり、それぞれが順番を待って自分の好みの曲を作ったのである。