森の中の噴水
2023/6/25
噴水といえば、ふつうはどこからでも見られるように一番大きな広場の真ん中にあって、公園の中で大勢の人に取り囲まれて一番注目される存在のはずだ。それなのにこの噴水は何だ? 森に包まれて、ただ自分のために淡々と水を噴き上げている。
明るい日差しの中で、そこだけが暗い空間で、人間とは関係なく水を流し続ける噴水。なんと神秘的で魅力的な存在であることか。
この写真は「水のある明るい夏の庭園」の曲を作ろうと写真を探している最中に、意図に反して見つかったのですが、これを見たらもうすぐに最初のフレーズが出てきました。噴水が自分で勝手に楽しんでいる姿を想像しながら4つのフレーズを作り、2回繰り返しに構成しました。
各フレーズの4小節目に16分音符の細かい動きを入れた、一定のリズムのワルツ。テンポが走り過ぎないように弾きたいのですが、弾いているうちに曲に飲み込まれてどうしても速くなってしまいます。何かしら麻薬のようなところがあって、何度でも弾いてしまう不思議な曲です。