聞いてきた音楽 その二
2024/10/17
前回の続き、高校生になってからの私の音楽履歴です。

それまでオーケストラの曲ばかり聞いていた私が、突然ハードロックを聴くようになったのは高校の新しい友達の影響です。彼らはロックギターに夢中でした。そしてそれは音楽性だけでなく、ギタリストの ”めだつ”、”テクニックがすごい” ということに魅力を感じていたように思います。オーケストラでは指揮者以外の演奏者は名前も知らないのが普通ですから、ずいぶん違う世界でした。
それでもなぜか Deep Purple の曲は何度も聞きました。ほかにも有名なバンドはいくつもありましたが Deep Purple を特別に好きになったのは、インスツルメント主体のバンドだったからだと思います。(ヴォーカルのイアン・ギランの声は一種の楽器と思えるほど人間離れしていましたし)。そしてその音楽性、ベースとドラムの存在感、スピードとスピード感の違い。今まで聞いてきた音楽と全然違う。とにかく私の音楽の世界は広がったのです。
それをきっかけにいろいろな曲を聴くようになりましたが、すごいと思ったのは Beatles でした。アルバムごとに全く違う音楽を展開してくる。そしてそれは他のバンドのものとはまったく違う。Beethoven と同じレベルで音楽の革命児だと思いました。
そして Beatles は、ボーカルありの曲を聴くきっかけにもなりました。クラシック音楽以外では、ボーカルが主体の曲がほとんどですから、言ってしまえば普通の曲も聞くようになったということです。そういう音楽には私は楽しいものを求めていたようで、Under the boardwalk のような 60’s の明るく無邪気な曲が好きでした。自分の部屋で自分の好きな音楽を聴いていた時代です。
大学を卒業し、仕事に熱中し、また結婚して子供ができると、私の一番の居場所は居間になりました。そここそが我が家です。食事をしながら、会話をしながら聞くのにはヴォーカルは少し邪魔です。また、オーケストラの曲はじっくり聞かないと味わえないのでそれも遠ざかってしまいました。そういうわけで今実際に一番聞いているのはフュージョン、ジャズ、ボサノバ、弦楽四重奏などの静かな曲です。
仕事をリタイアして、子供たちもみんな結婚して出ていったら、自分の時間がまた戻ってくるかもしれません。そうしたらまたオーケストラの曲に戻ろうと思います。