三線(さんしん)

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2025/7/12

カンカラ三線

私が今弾いている2番目の楽器は三線です。とはいっても「カンカラ三線」といわれるもので、名前の通り、空き缶で作られたものです。本物の三線はもっと美麗な楽器で、たぶん音ももっと大きく美しいのだと思います。また独特のピックを使って弾くようですが、私は持っていないので親指の爪で弾いています。(Wikipedia 三線↗

三線は沖縄ではポピュラーな楽器ですが、東京では弾く人はめったにいません。弾き語りの楽器なので歌の方が主役ですが、沖縄方言のしかも古語なので東京人には歌詞を覚えるのが一苦労だし、本場の発音はできません。音階、リズムの取り方も日本の他の地域の音楽とは違いますし、何といっても身についている歌心が違うので、真似をしても沖縄の人のようにはなりません。

私の歌は下手ですが、それでも三線は楽しいです。次の赤山節は若い恋人通しのやり取りをコミカルに歌った曲です。(声に張りがありませんね。でも65歳だとこんなものです。)

赤山節 ⇒ 歌詞↗

三線もまた完全にソロ演奏可能な楽器です。音楽の三要素が、メロディー・リズム・ハーモニーであると習いましたが、それは「西洋」音楽の場合です。日本古来の音楽にはハーモニーという考えがありませんから、このように声がメインのメロディーを、三線がサブのメロディーを弾きながらリズムを刻むことで全要素がそろいます。実にコンパクトです。

パッドと滑り止め

楽器もコンパクトなので、夏の暑い日でも弾けるのがいいです。ギターは大きな胴体を抱えないといけないので暑くて大変です。

しかし金属でできているので、カンのふちが腕に当たって痛かったり、胴が滑りやすかったりしたので、干渉パッドをつけ、滑り止めに縄を巻きました。

さて、この三線は息子が修学旅行で沖縄に行ったときに体験教室で作ってきたものです。彼は作るのは好きだけど弾くのには興味がなかったので私がもらってしまいました。ネットで楽譜を探して最初に弾いたのが次の歌です。もう会うことがない恋人の思い出を歌っています。この曲が本当に美しかったので、その後も三線を弾くことになりました。

ナークニー ⇒ 歌詞↗

何曲かを覚えたところで、本物の三線を買うことも考えたのですが、やめました。沖縄が80年前の戦争で大きな犠牲を出したあと、彼らが立ち直るのには歌が必要だった。物資がない中で作ったのがカンカラ三線だそうです。それを聞いてしまったら、私にはもうこれはおもちゃでなくなりました。

今の沖縄でも子供は練習用にカンカラ三線で使うそうですし、私の歌は上手ではないから、これが釣り合っています。


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