セーヌ川のワルツ
2022-9-27
パリと東京は似ている。どちらも同じ大都会。
何でもそろっているけど、寄せ集めの町。
しゃれているけど、それは誰のため?
パリっ子だって言ったって(江戸っ子だって言ったって)
街は寄せ集まりの人たちの街。
常に変わっているように見えて、なんにも変わっていない。
大都会と言うけど、私には生まれた町でしかない。
移り変わる街を見ながら、変わらない生活をする。
さあ、我が町に乾杯!
新婚旅行でパリに行ったのはもう30年以上も前のことです。安宿を探し地図を買い、私たちでも名前を知っているところに行きました。シャンゼリゼ、凱旋門、エッフェル塔、ノートルダム寺院、ベルサイユ宮殿、ルーブル美術館、そしてオルセー美術館。せっかくパリに来たんだから、そういうものを楽しむのは当たり前です。
でもホテルの窓から見る景色は東京とあまり変わらない。いろんなものが建っていて、地下鉄があって、通りにはたくさんお店が並んでて。
爪が伸びたのでフォーションに爪切りを買いに行きました。深夜でも開いている食堂を探してフレンチフライドポテトをたくさん食べました。都会の生活はどこでもあまり変わらないから、かえって気楽です。
パリの街をテーマにして気楽なワルツを作ろうと思ったのはちょうど1年前のこと。曲を引き出してくれるいい写真を探していたら、セーヌ川の写真がたくさん見つかりました。そう、セーヌ川。東京には町を貫く大きな川がありませんから、これはちょっとうらやましい。
水は常に流れていても、川自体は変わらないセーヌ。町は常に変わり続けていても、生活は変わらないパリ。セーヌの写真を見ながら曲を作っていたら、最初の思惑とは少し違う、何かしら哀愁のある音になってしまいました。
川の流れをアルペジオで弾きながら、ちょっとずつニュアンスが変わる4種類のメロディーにしました。簡単に弾ける曲です。